| ■設 計: | 古谷誠章+NASCA |
| ■用 途: | 専用住宅 |
| ■構 造: | RC |
| ■規 模: | 地上2階 |
| ■敷 地: | 172.89m2 |
| ■延 床: | 183.35 m2 |
| ■竣 工: | 2007.6 |
| ■掲 載: | 住宅特集2008.1 住宅特集2008.6 |
徳島県阿南市に建つこの家は、現在クライアント夫婦が暮らす母屋のいわば「離れ」として計画したものである。母屋の方は典型的な日本家屋の造りで、主として高温多湿な夏の気候に配慮して、いかにして日差しを遮り、風通しをよくするかが工夫されて建てられていた。その反面、日照時間が短く気温の下がる冬場には、どうしても寒い家になってしまう。特にこの家のように谷間に立地する場合には、太陽が沈むのも相当早く、冬場には午後2時過ぎにはほとんど陽が当たらなくなってしまう。ここでは隣の母屋を「夏涼しい家」、新しく建てるこの家を「冬暖かい家」となるように考え、日本の伝統的な家の構造とは対照的に、鉄筋コンクリート造で外断熱工法を採用した。ガラスは基本的にペアガラスである。北側の全面開口部からは、隣接する田畑や山並みの風景を望み、同時に北面からの終日安定した採光を確保している。南側は谷間に差し込む日照を出来るだけ取りこめるように、外壁面全体を楕円状の曲面にして、室内では一日の時間の経過につれて、朝には寝室、朝から日中はキッチンや主婦のユーティリティ空間、昼から夕方にかけてはリビングスペースに太陽が差し込むよう、大小の窓をその大きくカーブする壁に散りばめている。予想される室内側での人のアクティビティに応じて窓の大きさや高さを変え、そこから差し込む太陽の光や、窓によって切り取られる外部の緑の風景に変化を持たせている。この家の内部からはたとえ時計を見なくても、およその時刻を感じ取ることが出来るだろう。