阿波銀行藍住支店Awa bank Aizumi branch
徳島県板野郡藍住町
コンポジットされた木床が浮遊するがらんどう
設計 | 古谷誠章+NASCA |
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用途 | 銀行 |
構造 | RC+S+W |
規模 | 地上2 |
敷地 | 2,032.84㎡ |
延床 | 885.31㎡ |
竣工 | 2022.12 |
徳島県藍住町に建つ阿波銀行支店の建て替えプロジェクトである。阿波銀行は豊かな地域社会の実現を理念に社会貢献されてきており、この藍住支店もこれまで以上に地域の老若男女に親しまれ、気軽に立ち寄ることができるフレンドリーな支店が求められた。コロナ禍を経て、ペーパレス化や脱押印などDX化が進み、オフィス空間は転換期を向かえつつあるなかで、銀行も例外ではなく、銀行形態や働き方の変化に対応できるフレキシブルな空間を目指した。最大約17mスパンのプレストレスコンクリート梁と柱が立ち並ぶ単純明快なフレームの中に鉄骨吊材でCLTとRCを組み合わせた合成床版を吊る構成とし、1Fは完全に無柱空間、2Fは吊材のみでブレースのない自由に改変可能なインフィルとした。それぞれの物性を活かし適材適所に用いることで、従来あるような異種素材が木を補うような構法ではなく、コンポジット(合成)されている点で、新しい木造(床システム)であり、最小限の構造部材によって堅牢で大きな“がらんどう”の空間がこの地域を支える拠点として地域に愛される居場所となることを願っている。
撮影 淺川 敏