熊本県山鹿市立鹿北小学校Kahoku Elementary School
熊本県山鹿市鹿北町四丁1469-1
地域の杉材を、地域の製材所で加工し、大工が建てる小学校
設計 | 古谷誠章+NASCA+中川建築設計事務所 |
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用途 | 小学校 |
構造 | RC+W |
規模 | 地上2 |
敷地 | 7,132m2 |
延床 | 3,696m2 |
竣工 | 2013.03 |
受賞 | 2010年 鹿北地区3小統合小学校設計プロポーザル 最優秀賞、2015年 日本建築学会作品選奨受賞 |
熊本県北部の3校統合による小学校の新築。熊本市の中川設計事務所との共同作品。2007年以来東京大学稲山正弘教授と共同して続けてきた木構造による小学校研究の成果でもある。地場産の杉材を活用し、住宅用の材木を組み合わせて、地元企業による施工を可能にした。コンクリートのコアを挟んで、木造部分を分棟化している。コンクリート部分で地震力に抵抗するため、木造部分には基本的に筋交いなどの耐震壁がなく、自由に横長の開口部を設けることができた。窓の方位や、室内のアクティビティに応じて、窓の位置や高さを変化させている。教室や廊下の室内側には90ミリ角の杉の角材を横積みにして、そのまま表しの仕上げとし、木の温かみや調湿効果のほか、作品の展示や造作なども容易に行えるようにした。外壁側は断熱を施した上に、同じく杉材の下見板張りとしている。
隣接する中学校と下段の町民グラウンドを結ぶ傾斜のある変形の敷地に、三角型の平面をもつ中庭型の校舎を置いて、行き止まりのない2階を子どもたちがぐるっと回遊できるようにした。南側の庭に面する1階には低学年の教室を配置、中学校にも繋がる2階東側に位置にランチルームと給食室を置いた。昇降口の階段は、記憶に残る場所になるよう、樹木の形をモチーフにしている。
周囲の山並みの景色と親和するように、変化のある折れ曲がり屋根のデザインを施している。グラウンド側の1階はピロティとしてV字柱が支えている。校舎への玄関口であるとともに、グラウンドに対しては観覧席や、日陰の休憩スペース、雨宿りの場所ともなる。
撮影 淺川 敏