浪江 in福島 ライブラリー きぼうNamie in Fukushima Library KIBOU
福島県福島市
設計 | 八木佐千子+NASCA |
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用途 | 図書館 |
構造 | W (ALC) |
規模 | 地上1 |
延床 | 69.56㎡ |
竣工 | 2012.07 |
東日本大震災、東京電力第一原発爆発事故により故郷から避難生活を余儀なくされている福島県の方々に、憩いの場として、情報発信の場としての小さな空間を寄贈するプロジェクトである。
避難されている同士や、避難先の周辺地域にお住まいの方との出会いの場が必要と感じたため新たなコミュニケーションの生まれる場として「図書館」を提案した。図書館は無料で誰もが訪れることができ、思い思いに時間を過ごすことができる。応急避難仮設住宅団地内の「集会所」では担えない広域の交流の場となることを期待した。県産材を利用した「木製パネル(wood-ALC)」を用いた新たな構法を提案した。幸い、この木製パネルを震災以前から開発していた工場が福島県内にあり、生産方法はちょうど出来上がっていた。早速、施工業者交えて構法を協議することでこのプロジェクトは可能となった。ボルトやコーチスクリューを外せば、移築、再利用可能な新しい木構法だ。いつか故郷に持って帰れるという希望の建築を構法により標榜できた。当然のことだが、自然採光、自然通風に配慮し、電力に頼らない建築も目指した。
撮影 淺川 敏