戸山の2世帯住宅・ⅡTwo-family House at Toyama II
東京都新宿区
設計 | 八木佐千子+NASCA |
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用途 | 住宅(改修) |
規模 | 地上2 |
延床 | 80.720㎡ |
竣工 | 2014.3 |
区立公園を借景にした箱根山の一角の閑静な住宅街に位置する築30年を経た2階建専用住宅の内装改修。
新築時の構造は2階軒梁と水平スラブまでがRC。その上の木造置き屋根が傾斜屋根と天井裏を形成している。新築当時は夫婦とその二人の娘の暮らす一世帯住宅だったが、今度は4世代が住む2世帯住宅となる。新築時の施主親子世帯が1階に。その孫世帯が2階に同居することになる。1階と2階では親子といえども伴侶も含めて他人との同居だ。生活時間帯の異なる2世帯では玄関は分けざるを得ない。2階と屋根裏を利用する孫世帯は当初の勝手口を玄関とする。勝手口の名残を感じさせぬような外構や庇、玄関部分をデザインし、中央に位置する室内階段で2階へアプローチする。個室と廊下のみで構成されていた間仕切りをすべて撤去し、天井は躯体あらわしとし、家具でスペースを間仕切る。将来の家族構成に備えてさらなる間仕切りやスペースを思い描く必要はあるが、夫婦二人の期間はのびのび暮らせるような空間としたい。
1階の家族構成も合わせるとパズルの回答は幾通りもある。可能性は検討してくが、その時々に回答を出すしか無い。公園の緑が望める浴室、在宅ワークスペース、屋根裏の整備などを行い、オープンな階段室による縦の空気や光の流れを創り出した。
撮影 淺川 敏